
事業経営者の方は、「手元の資金が底をつく前に、打つべき手はないか?」という状況に陥るリスクが常にあります。また、大型案件の受注や補助金の採択が決まったものの、当面の資金繰りで困る事態があるかもしれません。
一時的に事業資金を工面したいとき、有効活用できるのが「つなぎ融資」です。売掛金の回収まで時間があり、その間の運転資金や投資資金を確保する必要があるとき、つなぎ融資は有効活用できます。
今回は、つなぎ融資の種類や利用すべきタイミングなどを解説します。メリットや賢い活用法も解説するため、ぜひ参考にしてみてください。一時的な資金不足を解消し、ビジネスチャンスを確実につかみましょう。
つなぎ融資とは、事業を営む会社や個人が資金不足になったときに、短期間だけ借りる融資のことです。突発的な事情で資金繰りが苦しくなったとき、一時的にしのぐ目的で利用されます。
例えば、小売店で材料を仕入れるために費用を支払ったものの、商品の売上代金が入金されるまでに時間がかかるケースで考えてみましょう(クレジットカードで売り上げた場合など)。
その間、店舗の維持費や従業員への給与は支払わなければなりません。一時的に資金繰りが苦しくなったとき、つなぎ融資を受けることで運転資金を確保できます。
このように、つなぎ融資は一般的に短期間(数週間から数カ月程度)の融資となるケースが一般的です。金利は通常の融資より高めになることが多いものの、迅速に資金調達できる手段として、多くの事業主から利用されています。
銀行融資が実行されるまでの間の運転資金を用意するために、つなぎ融資を利用することもあります。
以下で、具体的な手段やそれぞれの特徴について解説します。なお、手形割引や手形貸付という方法もありますが、経済産業省は2026年までに約束手形を廃止する方針を発表しています。
日本政策金融公庫のマル経融資(小規模事業者経営改善資金)とは、商工会や商工会議所が実施する経営指導を受けている小規模事業者で、推薦を受けたときに利用できる国の融資制度です。
最大2,000万円を無担保・無保証人で借りられます。返済期間は10年以内(据置期間2年以内)で、他の融資制度よりも低金利である点が魅力です。
小規模事業者の経営改善を支援する制度として有用な選択肢になりますが、商工会や商工会議所による経営指導を受ける必要があります。
金融機関やノンバンクの多くは、事業者向けに「ビジネスローン」という商品を取り扱っています。
金融機関が提供しているビジネスローンは審査が厳格な傾向にあるものの、比較的低金利で融資を受けられます。また、ノンバンクよりも融資限度額が大きく、数千万円規模の融資にも対応しているところもあります。
ノンバンクのビジネスローンは柔軟に審査を行っている一方で、適用金利が比較的高めです。ただし、最短即日で融資を実行している会社もあり、スムーズに資金調達したいときに向いています。
ファクタリングとは、売掛金や未収入金などの債権を売却し、本来の入金日よりも前に現金化する資金調達方法です。「お金を借りる」という方法ではなく、売掛債権の売買取引になるため、借り入れとは異なります。
例えば、10万円の売掛金を有しているものの、手数料率10%でファクタリング会社へ売掛債権を売却した場合で考えてみましょう。ファクタリング会社から9万円を受け取り、その後に売掛金が入金されたら、ファクタリング会社へ10万円を支払うイメージです。
ファクタリングの方法や会社によっては、最短即日で資金調達が可能です。しかし、利用にあたって手数料が発生するうえに違法な会社(ヤミ金融)も存在するため、慎重に利用すべきでしょう。
不動産担保ローンとは、土地や建物などの不動産を担保として提供し、借り入れを行う資金調達方法です。不動産の担保評価額が高ければ、数千万円から1億円を超える高額な融資を受けることも可能です。
担保を提供するため、無担保ローンよりも低い金利で借りられるメリットもあります。利息を抑えられれば、経済的負担を軽減できるでしょう。
ただし、不動産担保ローンは審査の過程で与信に加えて不動産の審査も必要になるため、審査に時間がかかります。利用する際には、入金までの期間や資金を必要としているタイミングなどを踏まえて、適切に活用しましょう。
事業経営をしていると、急に資金を用意する必要性に迫られる場面が出てくるでしょう。具体的にどのようなシーンで、つなぎ融資の利用を検討すべきか解説します。
事業運営をしていると、以下のように一時的な資金不足が発生する場面が起こる可能性は常にあります。
● 入金まで2~3カ月待ちの間に、従業員の給与や取引先への支払いが必要になるケース
● 季節変動の大きい業種で、繁忙期前の仕入れ資金が必要になるケース
● 予想外の大型受注に対応するため、仕入れ資金や製造資金が必要になるケース
これらのケースでは、事業自体は健全で、将来の入金が確実に見込めます。
しかし、一時的に手元資金が不足する点には注意が必要です。従業員との信頼関係を維持したり、ビジネスチャンスを活かしたりするためにも、つなぎ融資が有効な解決策となるでしょう。
金融機関から融資を受けるまで、数カ月程度の期間がかかるケースは少なくありません。その間に発生した資金ニーズに対応するために、つなぎ融資は役立ちます。
例えば、設備投資融資を申請中で、メーカーへ先に支払いが必要になるケースが考えられるでしょう。また、日本政策金融公庫や制度融資など審査に時間がかかる公的融資を申請中のつなぎとして、当面必要な資金をつなぎ融資で工面する方法もあります。
融資を受けられる可能性は高いものの、融資が実行されるまでの期間が長いとき、つなぎ融資は有用な選択肢となります。
補助金・助成金は、設備投資や人材採用を促進させるために役立ちます。返済不要の資金であるため、資金繰りの改善に役立つ存在です。
しかし、補助金・助成金は、実際に交付されるまでに数カ月程度かかります。その間に運転資金や投資資金を用意したい場合、つなぎ融資が有効活用できるでしょう。
特に設備投資系の補助金は後払いになることが多く、先に事業主が設備を購入・設置する必要があり、一時的に資金繰りが苦しくなるケースは少なくありません。
雇用促進関連の助成金を活用する場合でも、実際に入金されるのは「採用してから6カ月後」のようなケースがあります。採用にかかるコストやその間の人件費も、当然ですが用意しなければなりません。
補助金・助成金を受給するまでのつなぎとして、つなぎ融資は有効活用できるでしょう。
ビジネスチャンスを逃さないためにも、大型案件・契約の着手金を用意するときにつなぎ融資を有効活用しましょう。
例えば、建設業者が大型工事受注時に準備資金や資材調達費用を調達するシーンや、大規模なシステム開発プロジェクトで人員確保や開発環境整備の先行投資が必要なシーンが考えられます。
製造業であれば、大量受注に対応するために、原材料や部品の一括仕入れが必要になるケースがあるかもしれません。手元資金が一時的に不足していても、つなぎ融資を活用すれば、ビジネスチャンスを逃さずに済みます。
つなぎ融資は、短期的な資金需要に対応する目的に適しています。以下で、つなぎ融資を利用するメリットを具体的に解説します。
つなぎ融資は、本格的な資金調達までの「準備期間」を確保できるツールとして機能します。公的融資や金融機関の本融資の審査は、通常1~3カ月程度の時間がかかるため、その間の資金繰りをつなぎ融資で工面する方法が考えられるでしょう。
また、融資が実行されるまでの間も運転資金が必要となるため、事業を継続させるうえでもつなぎ資金は役立ちます。
事業を戦略的に発展させるための資金調達方法として、さまざまな場面でつなぎ融資を活用できるでしょう。
手元の資金を温存したいときも、つなぎ融資を有効活用できます。手元資金に余裕が生まれることで、経営の安定性が大きく向上するでしょう。
もし手元資金が心許ないと、運転資金の確保が不十分で、日々の支払いに追われる事態になりかねません。売掛金の入金日が当面先で、手元の資金が不足している状況だと、給与や取引先への支払いを安心して行えないでしょう。
しかし、つなぎ融資により資金繰りの心配から解放されれば、本業に集中できる環境が整います。突発的な修繕費や緊急の仕入れなど、想定外の支出にも柔軟に対応できるため、冷静な経営判断にも役立つでしょう。
経営者の方は、事業の資金繰りについて常に意識を払う必要があります。つなぎ融資を利用して柔軟に資金調達することにより、資金繰りの余裕が生まれ、支払いに遅れたりビジネスチャンスを逃したりするリスクを軽減できるでしょう。
これにより、資金繰りを改善させて資金ショートを未然に防いだり、支払い遅延を起こして取引先との信用を失ってしまったりする事態を防げます。
運転資金を安定的に用意することで、経営の安定性を向上できるでしょう。このように、つなぎ融資は短期的な資金不足を解消するだけでなく、資金の流れを最適化して健全な財務体質を構築するために役立ちます。
つなぎ融資を利用する際には、デメリットや注意点にも目を向ける必要があります。あくまでも借り入れである点に留意し、慎重に利用することが大切です。
つなぎ融資を利用する際には、さまざまな手数料が発生する点に注意が必要です。例えば、融資手数料や事務手数料などが挙げられます。ファクタリングや手形割引の場合も、それぞれ売掛債権や手形の一部を、手数料として支払わなければなりません。
その他にも、付随費用として印紙代や振込手数料など、細かな費用が積み重なることもあります。これらの手数料や諸経費が積み重なった結果、想定以上のコスト負担になる可能性があるため、事前に確認しておきましょう。
つなぎ融資は借金である以上、金利が発生します。利息を付けて返済しなければならないため、長期的な資金繰りへの影響をきちんとシミュレーションし、計画的に利用しなければなりません。
例えば、ビジネスローンはつなぎ融資の中でも金利が高い傾向にあります。金利負担が経営を圧迫するのは本末転倒であるため、慎重に利用しましょう。
売掛金や手形を予定通り回収できればよいのですが、回収が遅れると自社の返済にも悪影響を及ぼす可能性があります。「借金を返すために借金をする」という自転車操業状態に陥る事態を回避するためにも、利用する前に金利負担を含めた総コストを正確に計算シミュレーションしましょう。
つなぎ融資の中でも、金利を抑えつつ、スムーズに資金調達したいときは財全ソリューションの不動産担保ローンをご検討ください。
財全ソリューションの不動産担保ローンは、事業資金のつなぎ融資をはじめ、さまざまな用途で資金調達したいときにご利用いただけます。仮審査は最短当日、お申し込みからご融資の実行までもスムーズです。
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つなぎ融資は、一時的な資金不足を解消するために、事業運営において重要な役割を果たしている資金調達方法です。売掛金回収までのタイムラグや大型受注時の先行投資、補助金交付までの資金手当など、一時的に資金が必要となる場面で活用されています。
つなぎ融資を利用することで、資金調達までの準備期間を確保したり、資金繰りを改善したりできるメリットが期待できます。経営の安定性向上に役立つ手段として、経営者の方は念頭に置いておくことをおすすめします。
複数のつなぎ融資の中でも、不動産担保ローンは金利を抑えつつ、比較的スムーズに資金調達できるメリットがあります。不動産の担保評価次第では高額な融資も可能なため、ぜひ不動産の資産価値を活かした資金調達をご検討ください。