「不動産担保ローンなら自宅購入費用に充てられる?」
自営業は、金融機関から信用が得られず住宅ローンが借りにくいケースがあります。
そのため、不動産担保ローンで自宅購入費用を借りられないかと考える自営業の方もいらっしゃるでしょう。
この記事では、自営業が不動産担保ローンで自宅を購入できるのか、住宅ローンの代わりに不動産担保ローンを利用するメリット・デメリットについて説明します。
自営業は、住宅ローンが借りにくい傾向にあります。金融機関は、個人の信用力を見て融資の可否を決めるからです。金融機関では医師や弁護士などの士業や大手企業の会社員、公務員の信用力は高いと評価されます。
例えば、大手企業の会社員ならば会社の貯えがあるので不景気になっても給料が支給される可能性が高いからです。しかし、自営業は収入が安定する保証はありません。景気が悪くなれば一気に業績が傾く可能性もあるでしょう。
さらに、会社員は病気で働けなくなった場合の傷病手当金がありますが、自営業にはありません。そのため、金融機関からすると自営業者は返済が滞るリスクが高いと判断されてしまうので、住宅ローンが借りにくい傾向にあるのです。
なお、自営業者が住宅ローンを借りる場合、収入ではなく所得で評価されます。節税対策で所得を少なくする方もいらっしゃいますが、住宅ローンを利用したいのであれば住宅ローンを申請する前の3年間はなるべく多くの所得を残せるようにしましょう。
赤字の期があると住宅ローンを借りるのは難しいです。
上記から住宅ローンが自営業者にとってハードルが高いことがわかっていただけたと思います。それでは、自営業者はどのように自宅購入費を調達すればいいのでしょうか。
銀行やノンバンクが提供している不動産担保ローンは、住宅購入資金に利用できるのかを説明します。
不動産担保ローンを利用すれば、自宅だけではなくセカンドハウスやアパートなどの購入費用に充てられます。
金融機関は、万が一返済できなくなった場合には不動産を売却して資金を回収します。
そのため、不動産の時価が融資金額を下回らないように不動産評価額に掛け目をかけた金額が融資上限となります。銀行が提供する不動産担保ローンの掛け目は70%程度、ノンバンクは約70%~90%です。
例えば、不動産評価額が3,000万円の物件の場合、70%の掛け目をかけると2,100万円が融資上限額となります。
住宅ローンは、自宅購入費用や増改築費用として借入することができますが、自宅以外の不動産購入費には利用できません。
不動産担保ローンは自宅を含む住宅購入費にも利用できますが、それ以外の費用にも使えます。
資金使途が自由という点が大きな違いです。
まず、不動産担保ローンを利用するメリットについて説明します。
住宅ローンは、自営業者の評価が低くなる傾向にありますが、不動産担保ローンの審査は総合的に評価されます。例えば、住宅ローンでは主に過去の収入で評価しますが、不動産担保ローンは過去の収入だけでは評価しません。
現在の収入が少なくても、事業計画や事業意欲将来性が評価されれば借入できる可能性が高くなります。
不動産担保ローンは、資金使途が自由なのがメリットです。住宅ローンでは融資を受けることができない賃貸併用住宅なども不動産担保ローンを利用すれば借入できるケースもあります。
不動産購入費だけではなく、教育資金・冠婚葬祭・納税資金・事業資金などに使っても問題ありません。
住宅ローンを利用する場合、事前審査の申し込みから融資実行まで約1カ月かかります。一方、不動産担保ローンは申し込みから融資実行まで1週間程度のところも多いので、建売住宅などの物件を購入する際は住宅ローンより早く手続きができます。
通常、ノンバンクでは自宅不動産を担保に不動産担保ローンを借り入れする場合、総量規制の対象になり、年収の3分の1しか借入ができません。
しかし、自営業者が事業に使う自宅兼事務所などを担保にする場合、総量規制の対象外になります。事業計画、収支計画、資金計画を提出して返済能力があると判断される場合には借入できます。
不動産担保ローンを利用するデメリットについても確認しましょう。
不動産担保ローンを利用するデメリットは、住宅ローンに比べると金利が高くなってしまうことです。住宅ローンの金利は、個人の信用力によって左右されますが、変動金利なら0.5%未満の超低金利で融資をしてもらえるケースもあります。
また、固定金利を利用する場合も「フラット35」を利用すれば、融資率9割以下は年1.330%~年2.210%で借入できます。(※2021年11月現在)
一方、不動産担保ローンは不動産の評価や借入金額にもよりますが、約3%~15%になってしまいます。
不動産担保ローンのほうが借りやすいですが、金利が高くなってしまう点は理解する必要があるでしょう。
住宅ローンでは、もし債務者が亡くなったり病気になったりした場合に、保険金がおりて弁済される団体信用保険に加入できます。一方、不動産担保ローンは団体信用保険に加入することができません。
万が一、債務者が亡くなったり病気になったりして返済できなくなってしまう場合には、家を売却した資金で弁済する可能性があります。
不動産担保ローンは、住宅ローンに比べて返済期間が短めな点もデメリットです。不動産担保ローンは、個人のニーズに合わせて返済期間が決まりますが、最長でも25年ほどです。
住宅ローンは35年借りられるので、それに比べると短く、月々の返済負担が重くなってしまう可能性もあるでしょう。
また、住宅ローンは過去の所得が重視されるので過去の実績が悪いと借入できません。
一方、不動産担保ローンは過去の実績だけではなく、事業内容や将来性など総合的に判断するので、銀行の住宅ローンで断られてしまった方も融資ができる可能性があります。
財全ソリューションは、沖縄の会社ですが全国の不動産に対応しています。ぜひ、お気軽にご相談ください。