
相続税の納税期限が迫っており、納税資金を十分に用意できていないとき、対処の方法で困ってしまうこともあるでしょう。
相続税は原則として現金一括納付が求められ、期限を過ぎると延滞税や財産の差し押さえなど、深刻な事態に陥ってしまいます。
納税資金を用意する方法は複数ありますが、不動産を保有している方におすすめの方法が、不動産担保ローンの活用です。
大切な不動産を手放さずに納税資金を確保できる手段として、注目されています。
今回は、相続税が払えないときの影響や不動産を活用した資金調達方法など、具体的な解決策を詳しく解説します。
相続税の納税資金に関する悩みを抱えている方は、ぜひ最後までお読みください。
相続税は、原則として現金で納付しなければなりません。
一定の条件下では、延納制度や物納制度(現金納付ではなく一定の相続財産で納税すること)が可能ですが、原則として現金による一括納付です。
なお、相続税の納付期限は「被相続人が死亡したことを知った日(通常の場合は、被相続人の死亡の日)の翌日から10カ月以内」です。
例えば、2025年1月6日に相続が発生した場合、2025年11月6日が申告期限かつ納付期限になります。
相続税を法定期限内に納付できないと、さらに納税額が増えたり、最終的に財産を差し押さえられたりするリスクがあります。
具体的に、どのような問題が起こり得るのかを確認しましょう。
定められた期限までに相続税を納付できない場合は、原則として法定納期限の翌日から納付する日までの日数に応じて、利息に相当する延滞税が課されます。延滞税の税率は、以下のとおりです。
| 納期限の翌日から2カ月を経過する日 | 年7.3%(令和4年1月1日から令和7年12月31日までの期間は年2.4%) |
| 納期限の翌日から2ヶ月を経過した日以後 | 年14.6%(令和4年1月1日から令和7年12月31日までの期間は年8.7%) |
上表のように、2カ月を過ぎると税率が約3倍以上に上昇します。定められた期限までに納付するに越したことはありませんが、もし遅れてしまった場合でも、できるだけ早く納付する必要があります。
なお、申告期限までに申告も納税もしていない場合は、無申告加算税も課されます。期限後に申告した場合、追加納付した税金額の5%を、無申告加算税として納付しなければなりません。
ただし、税務調査により申告していないことが判明して申告した場合、納める税金が50万円までは15%・50万円を超える部分は20%の無申告加算税が課されます。
期限までに相続税を納付しない場合は延滞税が課され、さらに税務署から督促状が送付されます。督促状には、納付すべき税金の種類や本来の納期限、税額などが記載されています。
つまり、相続税と延滞税も納付せずに放置していると、税務署から納税を促されます。
督促状が届いたにも関わらず状況を放置していると、「滞納処分」となり財産の差し押さえや換価処分(競売にかけて現金化すること)といった、強制的な徴収手続きに移行します。
督促状には納付すべき期限が記載されており、なお納付されないときには、財産の差し押さえとなる可能性があります。
つまり、換金性のある財産が押収され、税務署により換金されてしまうのです。差し押さえの対象となるのは、有価証券や不動産、給料などが代表的です。
差し押さえが行なわれると、債務者は自身が所有する財産を自由に処分できなくなります。所有している不動産を売却したり、給料を受け取ったりすることができなくなるため、生活に支障が出る事態になりかねません。
場合によっては、金融機関や勤務先に税金の滞納が公になってしまい、社会的な信用を失ってしまう事態が考えられるでしょう。
相続財産の大半が有価証券や不動産で、さらに相続人が十分な納税資金を保有していない場合、何らかの手段で納税資金を用意しなければなりません。
以下で、納税資金を用意するための手段を解説します。
有価証券とは、株式や債券、投資信託などの資産を指します。
これらはいずれも換金性が高い特徴があるため、相続税の納付期限までに必要な分だけ売却すれば、納税資金を用意できるでしょう。
上場株式や投資信託などは市場で売買されているため、流動性が高いメリットがあります。
「100株だけ」「100万円分だけ」のような分割売却が可能で、必要な納税資金の金額に応じて、一部だけを売却することも可能です。
ただし、そもそも有価証券を保有していなければ、この方法は使えません。
また、資産運用の経験が少ない方は最適な売却タイミングを図れず、結果的に安い金額で売却してしまう事態が起こり得ます。
相続財産に不動産が含まれる場合や、ご自身が「売却してもよい」と考えている不動産がある場合、売却して現金化する方法があります。
相続財産の中で不動産が大きな割合を占める場合、売却によって相当額の現金を確保できるでしょう。
ただし、不動産は通常数千万程度の高額な取引になるうえに、有価証券のように市場参加者が多くありません。
流動性が低いため、売却までに通常数カ月~数年程度かかったり、希望の金額で売却できなかったりする可能性があります。
納税期間が迫ってくると、「早く売却しなければ」という焦りから、値引きを余儀なくされてしまうケースもあるでしょう。
さらに、取得価格よりも高い価格で売却できた場合、譲渡所得税や住民税が発生します。
最終的な手取り額を加味する必要があるため、税金について専門的な知識が要求されるでしょう。
以下の要件を満たす場合、相続税の延納が可能です。
延納が認められれば、年払いで相続税を納付できます。これにより、一度の納税額を軽減できるため、延滞のリスクを軽減できるでしょう。
なお、延納の担保として提供できる財産の種類は以下のとおりです。
相続または遺贈により取得した財産に限らず、相続人の固有の財産や共同相続人または第三者が所有している財産であっても、同意を得たうえで担保として提供できます。
延納期間中は利子税を支払う必要があり、完納までの期間が長期化するほど、支払う総額が増えます。そのため、延納を申請する場合でも、速やかな完納を目指しましょう。
「不動産を売却したくない」というときに有効活用できる選択肢が、不動産担保ローンです。
不動産担保ローンとは、不動産を担保として金融機関からお金を借り入れる方法で、納税資金を用意する目的でも利用できます。
不動産担保ローンを活用すると、有価証券や不動産などの資産を売却せずに納税資金を調達できます。
不動産の担保価値に応じてお金を借りられるため、不動産の価値次第では十分に納税資金を用意できるでしょう。
不動産担保ローンで納税資金を調達するメリットを、具体的に見ていきましょう。
「有価証券を保有していない」「不動産を売却したくない」という方は、参考にしてみてください。
相続税を期限内に納付できないと、延滞税が日々増加していきます。
強制執行に至ると、財産が差し押さえられてしまい、生活にも影響が出てしまうでしょう。
不動産を売却して現金化しようとすると、1年以上買い手が見つからないことがあります。
一方で、不動産担保ローンであれば1カ月程度でお金を用意することも可能です。
つまり、不動産担保ローンは不動産を売却するよりも、スムーズに資金調達できるのです。
納税期限内に確実に納税できるだけでなく、延滞税や督促状の心配から解放されるため、精神的な安心を得られるでしょう。
不動産担保ローンでは、不動産の所有権を手放す必要がありません。
つまり、大切な財産を手放さず、資産価値を守りながら相続税を納付できます。
特に不動産は家族の思い出が詰まっていたり、先祖代々から引き継いでいるため手放したくなかったり、売却に躊躇する感情を持つことが少なくありません。
また、将来の値上がりを期待して手放したくない、と考えている方もいるでしょう。
不動産担保ローンを活用すれば、家族の思い出を守りつつ、将来の資産価値の上昇といった恩恵を受けられます。
賃貸・売却・次世代への承継など、将来の選択肢をすべて残しながら納税資金を用意できる点は、不動産担保ローンの魅力です。
不動産担保ローンは、無担保ローンよりも低金利で資金調達できます。
不動産という担保を提供する分、債権者(お金を貸す側)はリスクを軽減でき、低金利での貸付けが可能となるためです。
一般的に、無担保ローンでは年利12%~18%程度の金利が適用されます。
一方で、財全ソリューションが提供している不動産担保ローンの年利は4.8%~15%です。
低金利でお金を借りられるということは、支払う利息を抑えられるため、経済的なメリットを受けられます。
家計への影響を抑えられるため、「できるだけ返済負担を抑えて納税資金を借りたい」というとき、有力な選択肢となるでしょう。
相続税が多額になった場合でも、不動産の価値次第では多額の納税にも対応できます。
不動産担保ローンで融資を受けられる金額は、不動産の担保評価額に基づいて決まるため、不動産の価値が高ければ十分に納税資金を用意できるでしょう。
なお、不動産の担保評価額は、市場価値(時価)や立地条件などを総合的に鑑みて決定します。
担保評価額は市場価値の100%とはならず、「掛目」と呼ばれる係数(60〜80%程度)がかけられるため、市場価格の60〜80%程度になるのが一般的です。
相続財産の規模によっては、数千万円以上の納税が必要になる場面もあります。
手元の預貯金で納税資金を用意できないときでも、不動産の持つ担保価値次第では、難なく対応できるでしょう。
不動産担保ローンでは、10年以上の返済期間を設定できるのが一般的です。
返済期間を長期にすれば月々の返済額を抑えられるため、返済が生活へ悪影響を及ぼしてしまうリスクを軽減できます。
月々の返済額に余裕があれば、急な出費が発生しても柔軟に対応できます。
また、ライフプランに合わせた無理のない返済計画が立てられるため、長期的に見ても安心です。
ただし、返済期間が長期になるほど、支払う利息の総額は増えます。
可能な範囲で繰り上げ返済を行い、着実に完済を目指すとよいでしょう。
不動産担保ローンで納税資金を調達するにあたって、知っておくべきデメリットもあります。
以下で、具体的に見ていきましょう。
不動産担保ローンでは、担保となる不動産の価値を正確に評価する必要があります。
申込者の属性や返済能力などに加えて、不動産の現地調査や登記簿・所有権の確認、市場価値の査定などを行う必要があるため、調査には通常数日から数週間かかります。
また、不動産担保ローンでは無担保ローンと比べて必要書類が増えます。
利用する会社によって必要書類は異なるものの、登記事項証明書や固定資産税評価証明書などを提出する必要があり、必要書類を集めるのに時間がかかるケースも考えられます。
そのため、相続の納付期限から逆算しつつ、余裕を持ったスケジュールで申し込むとよいでしょう。
不動産担保ローンでは、事務手数料や融資手数料といった手数料や抵当権設定費用(登録免許税・印紙税・司法書士報酬)など、諸費用が発生します。
また、建物を担保に設定する場合は、建物を火災保険へ加入する必要があるのが一般的です。
そのため、火災保険料が発生するケースも考えられます。
無担保ローンよりも、契約にあたってさまざまな諸費用が発生する点に留意しましょう。
事前に諸費用の見積もりを依頼し、どの程度の初期費用を用意する必要があるのかシミュレーションしておくと安心です。
不動産担保ローンに限らず、お金を借りた以上は利息を付けて返済しなければいけません。
無担保ローンよりも金利が低いとはいえ、毎月利息を付けて返済する必要があるため、事前に詳細なシミュレーションを行いましょう。
借入期間が長期になるほど、総返済額が膨らみます。また、変動金利で借りる場合は金利上昇リスクがあるため、ゆとりを持った返済計画を立てることも大切です。
総返済額を抑えるためには、可能な限り短期間で完済する計画を立てたり、繰り上げ返済を活用したりする方法があります。
また、借り入れる金額を最小限に留めることも、利息を抑える効果があります。
不動産担保ローンを利用すると、不動産に抵当権が設定されます。
抵当権が設定された不動産は一般的に買い手や借り手が現れないため、自由な売却や賃貸利用ができない可能性が高いでしょう。
抵当権とは、お金を借りるときに不動産(土地や建物)を担保にする権利です。
金融機関からすると、もし返済できなかったら、担保の不動産を売却して貸したお金の回収に充てます。
また、大規模な改築や建て替えを行う際には、金融機関の承諾が必要となるケースが一般的です。
不動産の価値に変動があると、融資条件も見直す必要があるためです。
このように、担保として供した不動産は自由に使えなくなってしまう点に注意しましょう。
不動産担保ローンで借りられる金額は、不動産の担保評価額や本人の返済能力などを総合的に判断して決定します。
不動産の担保評価が低いと融資額も低くなるため、納税資金を用意できない可能性があります。
なお、一般的に借りられる金額は担保評価額の60~80%程度です。
例えば、評価額3,000万円の不動産であれば、借入可能額は1,800万~2,400万円程度になります。
地方にある不動産や築年数が経過している建物などは、市場価値も低くなりやすいため、十分な金額を借りられない可能性が考えられるでしょう。
借地権付きの物件や、接道条件が悪い土地も同様です。
なお、複数の不動産を所有している場合、合わせて担保提供しても問題ありません。
もし一つの不動産では十分な納税額を用意できない場合は、複数の不動産を担保として提供することを検討しましょう。
不動産担保ローンで借りたお金を返済できないと、担保とした不動産が競売にかけられます。
つまり、所有権を失ってしまうリスクがある点に注意が必要です。
返済が1カ月遅れると、ただちに競売にかけられるわけではありません。
返済が数カ月滞ると金融機関から督促が届き、改善されない場合は一括返済を求められ、一括返済に応じられない場合に競売手続きへ移行します。
「不動産を失いたくないから」という理由で不動産担保ローンを利用しても、きちんと返済しないと所有権を失ってしまう点には注意しましょう。
事前に余裕のある返済計画を立てて緊急時の予備資金を確保したり、適切な借入額を設定したりすることで、所有権を失うリスクを軽減できるでしょう。
財全ソリューションの不動産担保ローンは、相続資金の用意をはじめ、さまざまな用途で資金調達したいときにご利用いただけます。
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なお、ご本人さま以外の名義の不動産でも、担保提供していただくことにより担保設定が可能です。最高2億円までの融資に対応しているため、納税額が高額になったときでもご利用いただけます。
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相続税は、相続が発生してから10カ月以内に、原則として現金で納付する必要があります。
期限を過ぎると延滞税や督促、最悪の場合は財産差し押さえのリスクがあり、生活に悪影響が出てしまうでしょう。
納税資金を用意する方法として、有価証券や不動産の売却、相続税の延納、不動産担保ローンの利用があります。
特に、不動産担保ローンは不動産を売却せずに資金調達でき、十分な納税資金を用意できる選択肢です。
無担保ローンより低金利で借りられ、長期の返済期間を設定すれば月々の負担を抑えられるため、無理なく返済できるでしょう。
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