不動産担保ローンの金利の基礎知識

      不動産担保ローンは、一般的に融資額が高額で、借入期間が長期間のため、金利の違いが返済額に大きく影響します。金融機関がホームページなどで掲げている金利には、〇%~〇%のように幅がありますが、できれば低い金利で借りたいものです。そのためには、予め金利を決める際に影響する要素について理解しておき、契約する前から対応しておくことが重要です。今から知っておくべきことをご案内します。    

1.不動産担保ローンの金利の相場

    不動産担保ローンを検討するなら、まずは、金利の相場を把握しておきましょう。多くの金融機関の中からどこで申し込むかを決める際の参考になります。 不動産担保ローンを扱う金融機関は、大きく分けると銀行とそれ以外(ノンバンク)に分けることができ、銀行は融資以外に預金や為替(振込や送金)業務を行いますが、ノンバンクは融資に特化した金融機関で、融資の元となる資金を主に銀行から得ています。 金利の面では、銀行の方が低いことが多いです。具体的に見ていきましょう。    

(1)銀行の金利の相場

    あくまで相場の目安として、1.95%~9.38%が一般的です。ただし、店舗を持たないネット銀行では、0.62%~というところもあり、店舗のある銀行よりも比較的低く設定されていることが多いです。 コストを削減できる分、金利に反映していると言えます。 不動産担保ローンは申し込みにたくさんの書類が必要な上、事前の相談や仮審査も重要になります。 そのため、書類に関する質問や返済について担当者と直接会って相談したい方、手続きに不安のある方は、書類不足や不備で審査に落ちることのないよう、店舗のある銀行で申し込むと安心です。    

(2)ノンバンクの相場

    こちらもあくまで相場の目安ですが、2.5%~15.0%が一般的です。ただし、キャンペーンなどで金利を引き下げている場合もあり、一概には言えません。 一般的に銀行よりも金利は少し高めですが、審査に通りやすく、相談や仮予約から融資までにかかる日数が短いことが多いため、お急ぎの方におすすめです。 このように、銀行とノンバンクを比較すると、銀行の方が審査の厳しいが金利は低く、ノンバンクは銀行より審査はゆるいが金利が高いということがわかります。審査の厳しさと金利が深く関係していると言えますね。    

(3)金利を決める要素は?

    では、金利を決めるにあたり、どのようなことを審査され、何が影響してくるのでしょうか?金利を決める判断材料は、主に下記の5つの要素が影響します。    

〇審査に影響を与える要素

 1.契約者の信用力 2.担保にする不動産の価値 3.担保掛目 4.資金使途 5.借入期間   5つの要素が、それぞれがどのように審査に影響するのかがわかれば、少しでも金利を低くするための対策を講じることができます。可能な限り低くするために何ができるのか、1つずつ見ていきましょう。      

2. 信用力が金利に与える影響

    金融機関にとって、信用力の高い人にお金を貸すより、低い人に貸す方がリスクが高いため、信用力の低い人には金利を高く設定する傾向にあります。 では、その信用力はどのようなことを審査されるのでしょう?個人の場合と法人・個人事業主の場合で見ていき、金利を低くするための工夫をご案内します。    

(1)契約者が個人の場合の信用力

    申込の条件として、継続的に安定した収入があることと年齢を問われる場合ほとんどです。他には、勤続年数、金融トラブル、他社借入の有無なども審査されます。具体的に1つずつご案内します。     1.収入 収入は多い方が審査に通りやすく、金利が低くなる可能性もあります。しかし、高収入でないといけないわけではありません。 不動産担保ローンは借入期間が長いことが多いため、途中で返済不能にならないよう、継続的に安定した収入があるかが重要です。     2.年齢 主に銀行では、20歳~70歳(完済時80歳未満)などのように、申し込みの時点で年齢制限を設けています。ノンバンクでは年齢制限がない場合が多いです。ただし健康状態が良い方という条件があるところもあります。     3.勤続年数 勤続年数が長いと、今後も継続的に安定した収入があると考えられ、信用力が高いです。そのため、転職してすぐの方は、審査に通りにくいことが多い、または金利が高くなる可能性があります。 また、アルバイトや契約社員よりも、正社員の方が信用力が高いです。   4.金融トラブル 過去にクレジットカードや携帯電話の支払いなどで延滞を繰り返したり、奨学金の返納が遅れているなど、信用情報に記録が残るようなことがあれば、審査通過が難しくなり、たとえ通ったとしても、融資の金額や金利に影響すると考えられます。     5.他社での借入の有無 他社で複数の借入がある方は、信用力が低くなる可能性が高いです。また、借入額が多ければ、これ以上の融資は難しいと判断され、審査に通らないこともあります。 おまとめローンとして不動産担保ローンの利用を検討されている方は、今利用しているローンの金利と、不動産担保ローンの金利を比較し、まとめることで返済総額を下げる効果があるのか確認してください。    

(2)契約者が法人や個人事業主の場合の信用力

    基本的に個人の場合と同じです。違う点は、個人の収入は給与などになりますが、法人や個人事業主の場合は「利益」になり、利益が出ている方が信用力が高いと判断されやすいです。 他には、個人と同じように過去のローンの返済状況や、他社ローンの借入なども審査対象です。 事業年数が長い方が信用力は高いため、設立して間もない場合は、事業計画書で信用力を上げるようにしてください。 なるべく低い金利で借りるためには、融資をしても大丈夫であることがわかる内容の計画でなければいけません。そのためにも、正確かつ根拠のある内容で作成し、今後の事業展開の見込みを伝えましょう。 事業計画書の内容が金利に影響するため、顧問弁護士などの専門の方に協力してもらいながら作成することをお勧めします。    

(3)信用力の審査のための必要書類

    信用力を審査するために、下記のような書類を金融機関に提出します。金融機関により異なるので、事前に確認しておきましょう。    

〇必要書類

・運転免許証などの写真付きの公的証明書(法人は代表者のもの) ・住民票の写し(法人は登記事項証明書や商業登記簿謄本) ・収入を証明する書類(直近年度分の源泉徴収票、確定申告書、事業計画書、給与の支払い証明書、決算書類など) ・印鑑証明書と実印    

(4)返済比率がカギ

    返済比率とは、年収に占めるローン年間返済額の割合のことで、一般的に返済比率が低いほど、余裕を持った返済ができます。たとえ年収が多く、信用力が高くても、返済比率が高ければ収入に対しての返済の負担が大きく、リスクが高くなるため、金利も高くなることが多いです。 例えば、年収800万円の人が不動産担保ローンを利用する場合、年間返済額が200万円の場合の返済比率は25%ですが、年間返済額が320万円だと40%にもなり、高金利になる可能性は高いです。 このように、信用力の高さも大切ですが、返済比率も金利に大きく影響しています。なるべく低金利で融資を受けるためには、ご自身の収入と借入額の割合を考えて申し込みましょう。    

3.不動産の価値が金利に与える影響

  担保にする不動産の価値が大きければ、融資できる金額も大きくなるうえ、金利を下げる効果を期待できます。よって、少しでも高く評価してもらうために、評価方法や評価を上げるポイントを予め知っておき、不動産の状態を良くするように心がけましょう。    

(1)担保にできる不動産

  担保にできる不動産の対象は住宅、オフィス、商業施設、駐車場、軍用地、空き地など、多種多様です。 状況としては、空き家・空き部屋、居住中・賃貸中、未使用などは問わず、マンション等の集合住宅の場合、一棟単位または部屋単位でも可能です。 住宅ローンが残っている物件も担保にすることができる金融機関も多いです。ただし、ローンの残高が不動産購入価格の〇割以下であることなどの条件があります。 他にも、契約者本人以外が所有する不動産や共有名義の不動産でも可能な金融機関が多いです。この場合、担保提供者や共有名義の方に連帯保証人になってもらう必要があります。 不動産の所在地に関しては、全国の不動産を対象にしている金融機関が多いですが、中には地元の不動産のみを扱う金融機関もあるので、確認しておきましょう。   不動産担保ローンでは、担保にする不動産の価値が高いほど審査に通りやすく、融資額や金利にも影響します。不動産の評価は金融機関が独自で行っており、土地と建物に分けて評価します。 それぞれの評価方法について見ていきます。  

(2)土地の評価方法

  土地の評価は、行政が発表している「路線価」(国税庁)、「公示地価」(国土交通省)、「基準地価」(都道府県)、「固定資産税評価額」(市区町村)の4つの価格を基に算出されます。 どの価格を基に算出するかは金融機関により異なりますが、国税庁の「路線価」を基にすることが多いです。   【算出方法】

路線価(1㎡)×土地の面積

  例:路線価12万円、土地の面性が100㎡の場合 12万円(路線価)×100㎡(土地の面積)=1,200万円(土地の評価額)   立地や周辺環境が良い場所は評価が高く、審査通過に期待できます。  

(3)建物の評価方法

  建物の評価方法は、「再調達価格」と言って、その建物を新たに建築するとしたらかかるであろう金額を基に算出されます。   【算出方法】

再調達価格(1㎡)×延床面積×残存年数÷法定耐用年数

※「法定耐用年数」は、国税庁では木造で22年、鉄筋コンクリートは47年(いずれも住宅用の建物の場合)としており、「残存年数」は、法定耐用年数から築年数を引いた年数です。   例:再調達価格20万円、延床面積90㎡、残存年数5年、法定耐用年数22年の場合 20万円(再調達価格)×90㎡(延床面積)×5年(残存年数)÷22年(法定耐用年数)=約409万円(建物の評価額)   この方法で算出すると、築年数が法定耐用年数に達した時点、つまり残存年数が0年になった時点で、建物の価値は0円になります。 なお、賃貸物件の場合は、賃貸の収益の高さで評価する場合があり、収益率の高い建物は高く評価されます。  

(4)不動産の価値の審査のための必要書類

  不動産の審査には、一般的に下記の書類を提出します。取り寄せるのに時間がかかる場合があるため、事前に金融機関に確認しておくと、手続きがスムーズにできます。  

〇必要書類

・登記事項証明書や登記簿謄本 ・納税証明書、固定資産税納付書 ・公図、地積測量図、建物図面、航空写真 ・ローン残高証明書(ローンが残っている不動産を担保にする場合)  

(5)評価を上げるには?

  土地と建物それぞれの評価額が算出されたら、その合計により融資額や金利が決まってきます。ただ、建物は年月が経つにつれて価値が下がるため、担保として評価するにあたり土地の評価が重要と言えます。   なお、土地と建物の評価については現地調査も行われる場合もあり、データだけでは評価できない実際の劣化具合なども重要です。 建物の場合、修理や手入れ、清掃を済ませた状態にしておくと印象が良く、高評価を期待できます。必要であればリフォームをしておくと評価が更にプラスになります。 土地の場合は、今後駅や商業施設などが開設されるなどの発展しそうな情報があれば、金融機関に伝えておきましょう。    

4.担保掛目が金利に与える影響

  金融機関が独自で設定する担保掛目。この比率が、評価された不動産に対して、融資の限度額を決める要となります。では、担保掛目が金利にどのように影響するのかと、金利を低くする効果のある対策をお伝えします。  

(1)担保掛目とは

  不動産担保ローンの契約では、担保として提供された不動産に金融機関は抵当権を設定し、万一契約者が返済できなくなれば、その不動産を売却して残債に充てます。 よって、今後の売却時に担保の価値が下がっている場合に備えて、金融機関は算出した評価額に一定の比率を掛けた額を担保評価額として算出します。 この比率のことを担保掛目と言い、金融機関によって比率は異なります。多くの金融機関で70~80%としていますが、ノンバンクでは90%~100%に設定しているところもあります。   具体的に見ていくと、例えば、土地の評価額が1,200万円、建物の評価額が300万円の不動産の場合、通常の評価額としては、土地の評価額+建物の評価額で1,500万円となりますが、金融機関はこれに一定の比率を掛けるため、担保掛目が80%であれば、1,500万円×80%=1,200万円となります。  

(2)限度額と借入金額の関係

  評価額に担保掛目を適用した金額が、不動産担保ローンの融資の限度額になります。つまり、上記の例だと、土地と建物の評価額1,500万円が限度額ではなく、1,500万円に担保掛目80%を掛けた1,200万円が限度額になります。 算出された1,200万円の限度額に対して、1,200万円フルで借りる場合と、少し控えめにして900万円借りる場合とでは金利が異なり、フルで借りる方が金利も高くなります。 というのも、金融機関からすれば、限度額全額の1,200万円貸すよりも、900万円を貸す方が、300万円の担保余力があるため、金利を低くする余地があるからです。 融資の限度額は、担保とする不動産の評価額に担保掛目を適応させて算出させていますが、借入額は限度額いっぱいではなくある程度余力を持たせた額で借りると、金利を低くする効果が期待できます。    

5. 資金使途が金利に与える影響

Businessmen using digital tablet at table against blue data

(1)不動産担保ローンの資金使途

    不動産を担保にするローンとしては住宅ローンもありますが、こちらは資金の使途が住宅の購入やリフォームなどに制限されています。 しかし不動産担保ローンは資金の使途が自由で、住宅ローンのように住宅購入やリフォームに利用するのも可能ですし、教育資金、納税、不動産つなぎ融資、新規事業の開拓、事業の運転資金など、様々なニーズに対応できます。 一般的に事業用資金の融資を受ける場合、銀行などの金融機関では審査が厳しく断られる場合がありますが、不動産担保ローンでは担保があるため、事業用でも融資を受けやすくなります。 (ただし、不動産担保ローンでも事業用資金の融資を行っていない金融機関もあります。)  

(2)返済計画や事業計画がポイント

    審査の際には、返済計画や事業計画を確認されますが、それらの計画に問題があれば、当然融資が受けにくくなります。仮に審査に通ったとしても、融資の金額が低かったり、金利が高くなることが考えられます。 特に事業用の場合、融資を受けることによって、今後発展する見込みがあることをはっきりわかるようにしておきましょう。 資金の使途が、経営悪化のためによるものではなく、事業展開をするうえで今まとまったお金が必要であることを伝え、融資を受けることでプラスの方向に進むとわかれば、金利が下がる可能性があります。    

6. 借入期間が金利に与える影響

  不動産担保ローンは、高額の借入金を長期間かけて返済し、月々の返済額の負担を減らすというのが特徴であり、メリットでもあります。では、借入期間が長いことが、金利にどのように影響するのでしょうか?  

(1)固定金利と変動金利

    一般的にローンの金利には、固定金利と変動金利があります。その設定は金融機関により異なります。固定金利の中でも、始めの何年間は固定金利で、その後は変動金利になるものや、借入期間中ずっと固定金利のものなどがあります。 固定金利は、金利変動のリスクを金融機関が負うため、金融機関はそれに備えて金利を高めに設定します。そのため、変動金利よりも金利は高くなりますが、毎月の返済額が一定なので管理がしやすいうえ、計画も立てやすいというメリットがあります。  

(2)不動産担保ローンの借入期間と傾向

    多くの金融機関が1年以上~最長20~35年と設定しており、借入期間が長い方が金利が高くなる傾向にあります。しかし、これは固定金利の場合であり、変動金利は借入期間による違いはあまりありません。 というのも、変動金利は契約者が直接金利変動のリスクを負うため、金融機関は借入期間が長くても金利を高めに設定する必要がないからです。  

(3)金融機関に確認してみる

    固定金利は変動金利よりも金利が高いうえ、期間が長くなればなるほどさらに金利が高くなることがほとんどです。 しかし、金融機関によっては、他のローンとの兼ね合いなどの都合で、金利のタイプや借入期間の条件により、低金利で融資できる期間があることがあります。 金融機関の担当者に確認し、可能であれば借入期間をその期間に合わせるのも1つの手です。 不動産担保ローンは借入期間が長期間であるため、ほんの少しの金利の差でも返済総額に大きく影響します。 特に固定金利を選択する場合は、少しでも金利を低くするための工夫が必要ですね。    

まとめ

  金利の決定には主に5つの要素がかかわっていることがわかりました。では、参考までに、2社の異なる法人が不動産担保ローンを申し込む場合の、要素の違いと金利について見てみましょう。  

法人2社の比較

<状況(A社とB社共通)> ・機材の故障で突然大きな資金が必要になったが、購入資金をすぐに用意できない。 ・事務所を担保に融資を受けたい。(A社とB社の不動産の価値は同程度とする)   <A社> ・翌月には取引先の売掛金の入金はあるが、機材購入には間に合わないため、融資を受けて機材を購入したい。 ・他にローンはない。 ・取引先から売掛金を回収できたらすぐ返済できるため、借入期間は最短期間で借りたい。   <B社> ・事業がやっと軌道に乗ってきたばかりで、特に今後大きな入金の予定はないが、とりあえず機材を購入しなくては今後の業務ができないため、融資を受けたい。 ・事業立ち上げ時に金融機関から融資を受けており返済中。 ・月々の返済を減らすために、長期間で借りたい。   どちらも、事務所を担保に融資を受けて新しい機材を購入するということは同じです。A社の場合、今後ほぼ確実に入金があることがわかっており、借入期間も短いため、金融機関にとってリスクが少なく、金利を低く設定しやすいです。 しかしB社の場合、今後の見通しがわからないうえ、借入期間も長いため、リスクが大きく、金利を高く設定される可能性があります。 B社のように、悪い条件がそろっている場合は、まず借入額は低めにして返済比率を下げること。 そして、今後の入金予定額や、売上見込み、事業展開について、しっかり金融機関に伝え、滞りなく返済できる見込みがあることを示すのが大切です。   最後に、金利とサービスについて考えてみます。 金利は低いに越したことはないですが、金利の高さは金融機関のサービスに比例しているとも言えます。 金利だけではなく他の条件やサービスも総合的に見て、どの金融機関で申し込むかを判断してください。ネット銀行よりも店舗のある銀行の方が金利が高いことや、スピーディーな対応のノンバンクの方が銀行よりも金利が高いということは、その分サービスが良く、安心して契約することができるかもしれません。 金利の違いは支払総額に大きく影響します。少しでも低くするために、1つ1つの要素を意識し、対応を心がけ、納得のいく金利で契約できたらいいですね。    
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